こんにちは、妹の兄です。
最近、高齢者ドライバーの事故が多く報道されています。自動ブレーキや誤発進防止システム等の安全装備を搭載したクルマへの買い替え、運転免許の自主返納という話題も少なくありません。
ただ、高齢者ドライバーの事故が急増しているというのはウソで、正しくは微増しているというのが本当のところでしょう。
もちろん事故は減少するに越したことはありませんが、「最近、高齢者ドライバーの事故が多いなぁ…」と思っている人はマスメディア(テレビ・新聞・ラジオ等)によって印象操作されている可能性が高いと言えます。
急増したのは「高齢者ドライバーの事故」というニュース
高齢者ドライバーの事故そのものが急増したのではなく、「高齢者ドライバーの事故」というニュース、つまり報道される回数が急増しているだけです。
そのようなニュースを最近よく見かけるようになったので、高齢者ドライバーの事故が急増しているように錯覚してしまうわけです。
武田先生が仰っている通り、事故“率”は変わらないが、日本は超高齢社会なので高齢者の増加に伴って事故“件数”が増えている。つまり高齢者ドライバーの事故は急増しているわけではなく微増しているというわけです。
参照:産経ニュース
上記のグラフは高齢者による死亡事故件数ですが、死亡事故を免許人口10万人当たりでみると、75歳以上は8.2件(前年比0.5件増)で24年以来6年ぶりに増加。80歳以上は11.1件(前年比0.5件増)で4年ぶりに増加しています。
死亡事故に対して不謹慎な言い方になりますが、これは微増と言える範囲、もしくは長期的に見れば減少傾向という見方もできます。
例えば、中学3年生男子の100メートル走は、10年前と今年の全国平均に差はあるでしょうか。100年前なら身体能力に差があるかもしれませんが、10年前と今年ではおそらく大差ないと思います。
では、10年前の80歳と今年の80歳の運転能力の差はどうでしょう。これも大差ないと思います。
つまり、高齢者ドライバーによる事故は10年前から今と大差ないほどの事故率だけど、10年前と比べ、報道される回数が増えたので高齢者ドライバーの事故が急増しているように思ってしまう。
いや、マスメディアの印象操作によって、意図的にそう思わされているのです。
マスメディアが印象操作する理由
なぜ、マスメディアは高齢者ドライバーの事故を多く報道し、私たち一般大衆に「最近、高齢者ドライバーの事故が多いなぁ…」と思わせたいのでしょうか。
答えは簡単です。私たち一般大衆に「最近、高齢者ドライバーの事故が多いなぁ…」と思わせておくことで、メリットを得られる、つまり得をする誰かがいるわけです。
最もわかりやすいのは自動車メーカーでしょうか。
自動車の製造・販売を行っている自動車メーカーはクルマを売りたい。しかし、私たち消費者にクルマを購入する理由や買い換える動機がなければクルマは売れません。
そこで消費者がクルマを購入したくなる理由が必要になるわけです。それが「高齢者ドライバーの事故」です。
高齢者ドライバーの事故を多く報道することによって、私たち一般大衆の危機感を煽り、自動ブレーキや誤発進防止システム等の安全装備を搭載したクルマの購買意欲を高めるのです。
テレビで自動車のCMを見かけるように自動車メーカーはテレビ局のスポンサー。テレビ局にとって自動車メーカーは大切なお客様になります。
「高齢者が事故を起こしているのは事実なんだから、少し多めに報道してくれよ」
そのようなことを大切なお客様から言われたら断れるでしょうか?おそらく断れないでしょう。
自動車メーカーとテレビ局という関係だけでなく、個人の関係性として出身地や出身校の先輩後輩、親子や兄弟、親戚などの親しい関係であるとか、金銭の授受や弱みを握られているなど、何らかの圧力や忖度によって断れない雰囲気というものがあるはずです。
また、新車の販売台数はGDP(国内総生産)や株価にも影響するため、金銭はもちろん、金銭以外にもメリットを得られる人は大勢いることでしょう。
まとめ
もちろん安全装備のクルマが普及することによって、事故率や事故件数が減少することを望んでいます。
ただ、今回の「高齢者ドライバーの事故」に限らず、マスメディアによる印象操作は日常的に行われていますから、報道されるニュースをそのまま鵜呑みにするのは危険です。
「テレビを見るとバカになる?テレビに洗脳されない方法」の記事でも同じようなことを言いましたが、そのニュースを知って自分はどう思ったのか?、そして、マスメディアはそのニュースを報道して私たちにどう思わせたいのか?
その二つを冷静に考えられる癖が身につくと、あなたの思考が印象操作されることはなくなるでしょう。